弁護士の北野隆志です。

先日は刑事事件で最高裁に特別抗告を申し立てた際の経過についてのメモを書きました。

今回は同じ感じで保釈請求について少し書いてみようと思います。なお、今回のケースは保釈請求は棄却されましたがその後、準抗告を申し立てた結果、原裁判が取り消されて保釈請求が認められましたので、そこまで含めて時間的な経過をメモしたいと思います。

というのは、保釈の手続きにかかる時間についてコロナ以降に大きな変化が生じていると感じているからです。

コロナ以前は保釈請求を午後4時くらいに提出しても、当日に判断が出ることが珍しくありませんでした。

勾留満期日にはだいたい午後4時くらいに起訴されることが多いので、保釈請求も早くてその時間になります。

コロナ以前はそのくらいに保釈請求を行っても当日に判断がでるので、最速でいけば起訴日に保釈が認められて釈放されることも珍しくありませんでした。

しかし、特にコロナの影響が出始めた2020年春以降は当日に判断が出ることが、私の請求したものに関してはありませんでした。

そのあたりの時間的なことについてはあまり情報がないと感じましたので、一連の経過についてここに自分用にメモするとともに、参考にされる方に向けて情報を公開します。

コロナの関係で裁判所や検察庁でもリモートワークの推進など執務に影響が出ているのかもしれませんし、その是非についてもいろいろなご意見があることと思いますが、今回は時間的な経過についてのみ記録します。

なお、今回のケースも大阪地方裁判所(本庁)におけるもので、地域によっては大きな違いがありますのでその点についてもご留意ください。

<時系列>

2021年
4月12日(月曜日)起訴

4月15日(木曜日)
11時 保釈請求書提出 ⇒当日判断なし

4月16日(金曜日)
13時40分頃 保釈請求却下の連絡
14時30分頃 保釈却下の裁判に対する準抗告申立て
19時40分頃 準抗告認容
            ⇒原裁判が取り消され保釈許可の連絡

 

 

<決定内容>

<メモ>

保釈請求に対する判断に要する時間は決まっているわけではありません。

事案の内容によっては判断に時間を要することもあると思います。

もっとも、今回の事案については午前11時頃に保釈請求していることもあり、当日に判断がでるものと予想していましたので、判断が翌日の午後になったのは少し意外でした。(もちろん、私の見えないところでいろいろなご事情があったのかもしれません。)

そのうえ、私の見立てが悪いのかもしれませんが、私は保釈が許可されると思い込んでいました。

保釈請求却下の連絡があったとき、私は別の裁判員裁判の公判前整理手続のために裁判所にいましたので、すぐにその場で準抗告申立書を書いて裁判所に提出しました。

結果については19時40分ころに連絡があり、金曜日のうちに保釈が認められることになりました。

なお、コロナとは関係ないと思いますが、保釈保証金額の最低ラインも近時上がってきているように感じます。私が行った保釈請求についてここしばらくは150万円のものはなく、少なくとも200万円以上となっています。上限については事案によって様々ですが同種事案と比較すれば若干上昇しているように感じています。