先日、私が以前から関わっているアイドルグループのロケと取材の現場に同行させて頂きました。

 グループのメンバーたちとお会いしたのは初めてでしたが、お会いしてそれぞれのメンバーの雰囲気やキャラクターや個性、熱意などを直に感じることができました。

 これまで私は利用規約やファンクラブ規約の策定、権利関係の対応などに関わるという形でこのグループに関与してきました。

 このような法的な関わり合いのみであれば、本人達に会う必要もないように思われるかもしれません。

 しかし、以前にもお話したように、各種規約のひな型をコピー・アンド・ペーストして作成するだけでは、アイドルグループの発展に資するものを作ることは困難になってきています。

 アイドルグループの魅力をいかに発信し、届けることができるか、そしてファンの皆さまにも応援するアイドルの魅力を発信し表現する行為をいかに楽しんで頂けるか、アイドルの個性に応じ、そのグループに最適なルールを考える必要があります。

 そのためには本人たちに会い、各メンバーの雰囲気や振る舞い、キャラクター、個性などを知ることが不可欠です。

 そして、そのようなメンバーの魅力、グループとしての個性や魅力を知ってはじめて、その魅力をどのように表現し、どのように発信するのが望ましいか、そのようなことを考えてはじめて最適な規約や規定、契約などを作ることができると考えます。

 法的サービスというのは定型的なものではありません。一人一人のお話を直接をお聞きし、さまざまな状況、経緯、条件などを踏まえ、その方にとって真に必要なものを一緒に見つけ出し、はじめて提供できるものです。

 既製品ではなく、お一人お一人のためにつくるオーダーメイド、オートクチュールなのです。

 そしてこのことはアイドル法務のみにあてはまることではありません。企業法務においても、会社ごとに個性や魅力、歴史などがあり、それらを知ったうえでないとやはりその会社にとって最適な法的サービスをすることは難しいといえます。

 弁護士業務も、依頼者の方と信頼関係を築き、二人三脚で問題に取り組んではじめて真価を発揮するものであると考えています。

 そのような意味で、今回は非常によい機会を持てました。

 今後とも、このグループの発展に寄与できるように頑張っていきたいと気持ちを新たに致しました。